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同人に役立つ知識や情報をまとめていきます。
同人誌即売会。
同人誌を頒布するためのイベントですが、
「スケブ」って聞いたことがあるでしょうか。
スケッチブックの略ですが、
特にイラストを描く方が持参されたスケッチブックにイラストを描いてくださる
という夢のようなサービスが流行した時期があったのです。



私が同人に関わり始めた2000年にはすでにこの「スケブ」は当り前にありました。
各サークルには「スケブ書きます!」という文字が踊っていましたし、
サークルさんたちはコピックやカラーペンなどをスケブ用に即売会へ持参してることも多かったです。
私の友人はスケブのために設定資料集を持参していたぐらいです。
また、文字書きさんサークルでも、その場でSSを書いたりということもしてました。
私がやったパターンだと、数名の文字書きさんがリレー形式で書いたスケブもありました。
(で、別のサークルさんがその場面をイラストにしてくれた)
ただ、残念ながらデジタル全盛期を迎えた現在この「スケブ」はあまり見なくなってしまいました。
かなりの人がデジタルでの作画に慣れてしまい、紙に描くということが難しくなってしまったことが大きな要因かもしれません。
また、残念なことですが、その人のためにと描いたスケブ作品がオークションなどで売られているなんてこともありました。
以前はネットオークションは今ほど盛んじゃなく、フリマアプリなんてものもなかったけれど
いまならどうなるかというのは考えるまでもありません。
とはいえ、現在も「スケブ」は絶滅したわけじゃなく、わずかながらに残っています。
珍しくなってしまったがゆえにルールやマナーがわからないという声もよくきくので
私がわかる範囲でまとめてみようと思います。
〇スケブをお願いする側で注意したいこと
・スケブを受けてくれるかどうか確認しましょう。
前述のとおり、スケブを受けてくださる方は激減しています。
誰でも受けてくださるものではないので、ちゃんと確認しましょう。
お願いしたい方がSNSをしてらっしゃるなら、
「〇月×日のイベントでスケブを描いて頂くことは可能ですか?」
と事前に聞いておく、というのを私は個人的にお勧めしたいです。
当日聞かれても「受けてあげたいけど筆記用具がない」ってことがあると勿体ないので。
・スケッチブックを用意しましょう。
当然のことですが、スケッチブックを用意してください。
ルーズリーフやコピー用紙など、「スケッチブック」じゃないものは不可です。
描きづらいので。
サイズとしてはA5やB5サイズあたりがいいかと思います。
一番良く見たのはこういうタイプ。

 
ちょっとおしゃれなこういうのも良く見ましたね。

 

たまにサークルさんが困ってたのはスケブとよくにた「クロッキー帳」

こんなやつです。
これ、紙が薄くて下の紙に特に筆圧は高くない人でもうつってしまうので向きません。
色を塗ると色映りもしますし。

個人的に表紙が分厚くて強いやつは、机の上じゃなく膝の上でも書けるので最強だと思います。

・万が一に備えておきましょう。
スケブで一番困るのが「頼んだのを忘れて帰ってしまう」ことです。
また、サークル側が帰るのに「頼んだ人が受け取りに来ない」とか、
サークル側に急用ができて帰らなきゃいけないが、「渡せないままになってる」とか。
こういう場合、サークルスペースに置いて帰るサークルさんもいますが、
一番多いのが「主催者に忘れ物として届け出る」というパターン。
そうすると、それが誰の者なのか証明するのが難しいんです。
だって、中身は「あなたが描いたものじゃない」のだから。
なので、住所と本名はかならずスケブに記載しておいてください。
そんなことないもん、絶対取りに行くの忘れないもん!
って思うでしょ、スケブ全盛期良く聞いた話でしたよコレ。
SNSのIDじゃだめなの?って思うかもしれませんが、
それが分かったところで、どうなるのという感じです。
主催者が個別に「あなたの忘れ物を預かってますよ」とSNSで連絡してくれることなんて稀です。
個人の主催ならありえるかもしれないけど、ほぼ期待はできません。
よくある主催アカウントって情報発信専用で、個別の対応してないところがほとんどですから。
そもそもイベントにおけるスケブは無料のサービス。
無料でやることに、お客様気分は厳禁です。
自分でできることは自分でやるのです。
・お礼はしっかりと。
お金をはらえ、ということじゃないです。
スケブを描いてくださったということは、イベントであなたのために時間を使ってくださったということです。
しっかりと目を見てお礼を言いましょう
その場で「拝見してもいいですか?」と聞いてOKがでたら、その場で開いて、
見たときの感想を素直に伝える、というのもアリです。
引き受けたサークルさん側に立って考えれば、喜んでもらえはじめて
描いた意味が見いだせるものでもありますからね。
逆にいえば、ここでちゃんとお礼がいえる人でなければ、スケブを頼む意味もわからなくなります。
だって、その人が好きだから、頼むんですよ。
その人にスケブを描いて欲しいからお願いするんですよ。
・SNSにアップするのはやめましょう。
スケブを描いていただいたら嬉しいですよね。
でも、そのスケブを写真にとってSNSにアップするのはやめてください。
それが許されるのは、描いた人だけです。
描いた人は、あなただけのために特別に描きました。
それを誰かに見てもらうために拡散する権利はあなたにはありません
もちろん、描いた方に許可が得られたらアップはOK。
描いてくださった方に迷惑がかからないように努めましょう。
・頒布物は買いましょう。
全部買え、ということではありません。
が、頒布物を買わないレベルの方にスケブをお願いするのは大変失礼です。
スケブは無料のスタンプラリーじゃないのです。
同人誌即売会なのですから、メインは同人誌を頒布すること。
ただで描いてくれるんだ、ラッキー!はやめましょう。
また、頒布物を購入した流れで「スケブって描いて頂けますか?」はとてもスマートだと
個人的には思います。
・リクエストは節度をもって
スケブをお願いすると
「誰を描きましょうか?」と聞いてくださると思います。
その時には、「その方が同人誌を出している作品」や、今までに描いたことがあるものをリクエストしましょう。
スケブ全盛期に女性向け即売会に男性向けのキャラの資料をもって無理やりエロ系スケブを描かせる男が度々出没したことがありました。
今思い出しても気持ち悪かった……。
まあ、シンプルな話、和食の料理人にイタリアン作らせんなって話ですね。
その方の好きなものを好きなように描いてもらうのが一番輝くんですし。
・受け取り時間は守りましょう。
自分が暇になったからといってお相手のスペース近くをうろつくのはやめましょう。
普通に怖いです。
描き終わりました、とSNSでアップしているなど
「確実に自分が依頼したものは終わっている」と確証が持てる場合以外は
受取時間を守ってください。
受取時間まで間近で、ご友人と談笑しているなどであれば、少し早めにいってもいいとは思いますけどね。
気になるとは思うけど、集中できないばかりかストーカーちっくなのでやめましょう。
というかやめてください。
〇スケブを描かせてもらう側で気を付けること
・リクエストはしっかりと聞いておきましょう
特に複数のスケブを受ける場合は、受け取ったスケブに付箋をつけて管理したり、
鉛筆で直接紙にメモするのもいいと思います。
描き終わったら消しゴムで消せばいいですし。
・受け取り時間は余裕をもって
特にスケブを受け付けるのが初めて、とか数回目とかはほんと余裕をもってください。
時間までに描き上げられない!というのはけっこうプレッシャーになります。
せっかく受取時間をまもって取りに来てくださった方に
「すいません、もう少しかかります」っていうほうも辛いでしょ。
自分のペースがつかめるまでは、目安の時間を伝えておいて
SNSのDMなどで「完成しましたので受け取りにきてください」とご連絡するとか
工夫をするといいと思います。
・自分が楽しんで描ける範囲にとどめておきましょう。
何冊も受けてしまってイベントが楽しめなかった、ということがないようにしましょう。
あくまで同人誌即売会は同人誌を頒布するイベントですからね。
売り子がいるから頒布をしなくても大丈夫というなら別ですが。
また、無理に色付けをしたり、無理にペン入れをした状態にしなくても大丈夫。
鉛筆書きだけのスケブでも前もって依頼くださる方にことわっておけば問題ない。
スケブ全盛期によくみたのは、鉛筆書きに色鉛筆で数色色をのせたタイプでした。
ペン入れしてコピック、なんてのはほんと筆が早くてアナログで色を塗り慣れているひとだけでしたね。
・受け取ったスケブがごちゃごちゃにならないように管理しましょう。
外見が同じスケブを受け取ってしまって、間違って別の方に渡してしまった!!
こういうトラブルは何度か聞いたことがあります。
なので、被ってしまったらその場でその方のハンドルネームを聞いておくとか服装をメモしておくとか
工夫をしてください。
お渡しするときにスケブをひらいて「こちらでお間違いないか確認してください」
とお願いするのもいいと思います。
また、なりすましが出たというのも聞いたことがあるので、
ハンドルネームとリクエストしたキャラの名前を依頼者から言ってもらう、というのも有効だと思います!
・食事は控えめに
紙面に落としたらアウトです。
私はお願いしたスケブにお菓子を落とされて(受け取るときに謝られたけども)、後日みたらそこがカビてました。
他までカビたら大変なのでそのページはきりとって捨てるはめに……。
油モノたべたあとの指先も注意してください。
・時には断ることが大事。
自分の許容量を超えてしまったり、描きたくないキャラのリクエストが来た場合。
毎回毎回スケブを頼んでくる……、エロ絵をリクエストされる。
など、ちょっとでも嫌だなとおもったら断っていいのです。
極論、ただで引き受けるボランティアなのだから。
・フリマアプリやネットオークションに出品されない対策を
リクエストしてくださった方のお名前を入れることなどが有用だと思います。
SNSに今日描かせていただいたスケブ~などアップするのも手です。
・取りに来なかったスケブの扱いについて
約束の時間をすぎて、自分が撤収する時間になっても取りに来なかったら。
いつまでも待つ必要はありません。
そのスケブは主催者に「忘れ物」として届け出てください
実際、持ち主は取りに来なかったのですから。
そして、SNS(お持ちなら)で、

お預かりしたスケッチブックは時間になっても取りに来られなかったため、忘れ物として主催者へ預けました。持ち主の方は主催者へご連絡ください。
とでもアナウンスすればそれで終わりです。
悪いのは取りに来ないほうです。
大抵そういう人は、閉会時間まで待とうが来ません。
お返しする際の送料や送り先の情報管理などを考えると主催者に託すのが一番だと思います。
モメる元なので早々に自分の手から離してしましましょう。
・時間内に描けなかったらどうしたらいい?
素直にお返しすべきだと思います。
持ち帰って出来上がったものを郵送していたサークルさんや、
次のイベントで渡しているサークルさんも知っていますが……
正直スケブにそこまではしなくていいと考えます。
住所やお名前の情報を管理することも大変ですし、次のイベントに参加できればいいですが
双方やむを得ない事情で参加ができなかったら?を考えるとすべきじゃないです。
もし、申し訳ないなぁとおもったら次回参加イベントを伝えて、
「もしあなたが参加されるのなら、改めて依頼してください」
と伝えるぐらいでどうでしょうか。
なお、この同人誌でやっていた「スケブ」をオンライン上でやっているサイトがあります。
こちらも「スケブ」なので混同しないようにしましょう。
私がこのエントリで話題にしているのは
「オフライン」でのスケブ、です。
同じ名称なの紛らわらしいけど、形をかえてもこういう行為が残っていくのっていいですね。
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これまでの経験と知識を、活かして頂けたら幸いです。
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